11歳 男子 サッカー 鶴ヶ島市より来院
小学5年サッカークラブ所属。8月中旬からの右膝の痛みを訴える。近所の整形で靭帯の
炎症と言われるが一向に良くならず、大きい専門病院でシンディング・ラーセン・ヨハンソン病
と診断。1ヶ月休むように言われ、休息後復帰するがまだ痛い。いまは週2回ほどんど見学
に近いレベルでの運動のみしている。(通常なら週5)。
手をつけばしゃがめるが痛い、ジャンプやケンケンはかなり痛い、ダッシュは最近していない。
走るより飛んだり曲げたりするほうが痛い。セレクションが週末にあるので何とかしてほしいと
チームメイトの紹介で来院。ってあと数日しかないじゃない!!
まずはシンディング・ラーセン・ヨハンソン病で何?ってところから説明ですね。ジャンパー膝
(膝蓋靭帯炎)に症状は近いのですが、膝蓋骨の下端に炎症や石灰化、部分的な剥離骨折
などを生じた障害で、10代前半の男子に多く見られます。外観や症状からジャンパー膝と
同様に扱われる場合もありますが、この時期の男子では、膝蓋骨の骨形成が成長過程
にあり、膝蓋腱(膝蓋靭帯)よりも強度が弱いため、ジャンパー膝を発症するよりは、
シンディング ・ラーセン・ヨハンソン病や分裂膝蓋骨、オスグッド病などを起こす確立の方が
非常に高いといえます。
この障害は、1921年にSinding,Larsen,Johanssonの各医師が
それぞれ発表したためこの名称がついています。
今までの経験上、このスポーツ障害はなかなか治りにくいです。今回も内心かなりかかる
だろう。今週末のセレクションなんてとんでもないと思っていました。
治療が終わるまでは・・・
今回はちょっと思う所があり、治療法を変更してみました。するとビックリ仰天
治療後しゃがんでもジャンプしてもケンケンしても痛みがありません。治療ベッドから片足で
飛び降りさせても痛みがないのでこっちがビックリ(でも顔に出さず)。
外に出て50mダッシュを100%をしても痛みがないのです。本人ニコニコ、お母さんビックリ!
私もビックリ!でも冷静を装い当日までは軽めの運動をすること。セルフケアを指導し
終了しました。
結局、土曜日は雨でセレクションは延期になりましたが、日曜日の練習はほぼ普通にできた
と昨日の来院時に言っていました。(普通に練習するもの1ヶ月ぶりです。)
お母さんも今までの期間は何だったのでしょう?といまだに不思議がっています。
私も不思議ですが、上手くいって良かったです(^^)